Quantcast
Channel: a + e(建築と食べ物)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 125

「空間を色で着せ替えよう!展」2nd "草原オフィス" @CS デザインセンター

$
0
0
東日本橋にある中川ケミカルのショールーム CSデザインセンターにて、「空間を色で着せ替えよう!展」の第二弾が始まっている。
同社のカッティングシートの新色にフォーカスして、同じ会場で3つの空間に"着せ替える"企画展。3展とも空間デザインをイガラシデザインスタジオの五十嵐久枝氏、照明デザインをワイ・ツー・ライティングデザインの山下裕子氏が一貫して担当し、初回はカフェ、続いてオフィス、最後にキッズルームに"着せ替え"る。第一弾の「問屋街カフェ」が10月末に終了した空間はガラリと雰囲気が変わり、「sogen office(註.草原オフィス)」となっている。

五十嵐氏がイメージした本展における"草原"は、芝生やサバンナのような丈の短い草木ではなく、水辺に生えているような長いもの。前回の「カフェ」の装飾では多彩に色が使われていたが、今回はグリーン系の新色が中心となっている。ひとくちに"グリーン系"といっても、極めて多彩かつ微細。原研哉氏監修ならでは。
そんな新色の特長を象徴しているのが、会場入口正面にある受付カウンターの前板の装飾だ。1色に思えるが、実際はミスティミントとセルロイドの2色が左右に使われている。
同センターのスタッフが働いている実際のオフィスがある一角は、透明なパーテーションの上から白いIROMIZUを全面に貼り、さらに長草の絵柄をカッティング貼りした。秋の月夜をイメージしたライティングとのこと。
長草の影と二重になってみえるのは、パーテーションの厚みを利用した貼り方によるもの。濃い色のシートを廊下側の表面に、淡い影となるシートが裏面に貼られている。草葉の向こうにぼんやり透けて見えているのは、オフィスのデスクに置かれたパソコン画面の光。幻想的かつプライバシーも護れるデザイン。ざわざわと動いているような視覚効果も出ている。
パーテーションを装飾する長草の丈は、左右の外側にいくほど長くなる。色がグリーンから白くなるグラデーションは、季節の移り変わりを表現している。
全体を俯瞰したときも、一枚の葉に注目してみたときも、あくまで自然な感じにみえるよう、五十嵐氏をはじめイガラシデザインスタジオのスタッフはデータの作成に苦労したそうだ。描画作業に行き詰まると、事務所の近くでたまたま売っていたというススキの鉢を見て、先端の曲がり具合を確認したという。
人の背丈ほどある"草原"のパーテーションは、内部にも計6枚たてられている。
長草や草木の向こう側をノマド的なオフィス空間として使う、というのが今回の「sogen office」のコンセプト。
細くて長いシートの長草にあわせて、五十嵐氏がデザインしたテーブルとチェアのセット。卓と座面、脚の部分は塗装ではなく、シートの新色を貼って装飾したもの。
パーテーションパネルを2枚挟んで、テーブル+ベンチに人がひとり。互いの存在がうまい具合に見え隠れする、ちょうど良い距離感が空間的にデザインされているのが、今回の"草原オフィス"である。実際のオフィスにここまで大量に草木を茂らせることは難しいが、シートならば表現として可能。会議室など視線を適度に遮る仕切りに転用できる。
前回の「問屋街カフェ」では、ペールトーンをボーダー状に貼り、見た目にはガラスと判らないテーブルを3連にして据え置いていたが、今回はガラスとシートの透明感をいかしたテーブルが1つ。パーテーションにカッティング貼りされた樹木の影と木もれ日が、テーブル天板に落ちてのびている、という情景。
会場では足もとにもご注目。山下氏があてた光による美しい影が、あちらこちらに落ちている。同様に、五十嵐氏のオーダーで山下氏が制作した"ホタル"もお見逃しなく。
企画展「空間を色で着せ替えよう!展」2nd OFFICE:sogen office の会期は11月16日から2016年1月15日まで。土日曜祝日公休、年末年始(12月30日~2016年1月4日)も休み。開廊は10:30-18:30。入場無料。

CSデザインセンター
http://nakagawa.co.jp/showroom/




+飲食のメモ。
新規開拓。『商店建築 11月号』のカフェ特集に掲載されたカフェ [わなびばKITCHEN333] が会場から徒歩数分の距離。2階にある呉服屋が運営していおり、開店は今年1月。
なお、店名の数字は東日本橋3-3-3を示しているが、"和の心をもって、縁を絆に育み、ゆとりを産む第3の居場所の創造"という、店のコンセプトにも由来するようだ。奥には小さな子供連れでもゆったり過ごせる和室などあり、ママさん来店率高し(店内は広いこともあり、小さい子たちが奥の部屋で遊び回っていても気にならない)
フレーク、十酷シリアル、ゆであずき、抹茶・豆腐アイスなどが盛られた「わなキチパフェ」消費税込756円+「堀口珈琲(ドリップのスペシャリティと機械式で値段が違う)」432円=合計1,188円ナリ。カフェメニューは14-16時ラストオーダー。
おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

わなびばKITCHEN333
http://wa-kitchen333.jp/

Viewing all articles
Browse latest Browse all 125

Trending Articles