青山のスパイラルにて、開館30周年記念展「スペクトラム ―いまを見つめ未来を探す」が始まった。
出展作家は4名。そのうちの一人、《十和田市現代美術館》などのライティングプロジェクトで知られる髙橋匡太氏によるセレブレーション作品を見るのであれば、照明が灯く18時以降が良い。
出展作家は4名。そのうちの一人、《十和田市現代美術館》などのライティングプロジェクトで知られる髙橋匡太氏によるセレブレーション作品を見るのであれば、照明が灯く18時以降が良い。
《スパイラル》は槇文彦氏(槇総合計画事務所代表)の設計(本展終了後の11月8日には、同事務所創立50周年とスパイラル開館30周年を記念してシンポジウムが同館ホールで開催される。聴講申込は過日に締切)。
青山通りに面したエスプラナードを使って表現される髙橋匡太作品《いつかみる夢「散華」》は、日本流行色協会(JAFCA)が選定、発信しているカラートレンド情報から、各時代色の流行色を抽出、約12分間で展開する。
「展覧会メインビジュアルともイメージぴったり」と髙橋氏談(同会場)。
テーマの「spectrum(スペクトラム)」からは多様な意味がとれる(参考:weblio)。「思想、生命、宗教など、作品を通じてそれまで見えなかったものが見えてくる。我々は皆、spectrum の上に乗って生きている、ということを本展を通じて表現したい」と主催側(出展作家4名ら関係者が出席して開催されたオープニングトークより。本テキストはトークでの各氏発言や作品説明、会場配布物に拠る)。
テーマの「spectrum(スペクトラム)」からは多様な意味がとれる(参考:weblio)。「思想、生命、宗教など、作品を通じてそれまで見えなかったものが見えてくる。我々は皆、spectrum の上に乗って生きている、ということを本展を通じて表現したい」と主催側(出展作家4名ら関係者が出席して開催されたオープニングトークより。本テキストはトークでの各氏発言や作品説明、会場配布物に拠る)。
「30周年のお祝い(セレブレーション)を軸に、光学的要素をもつ"スペクトラム"というテーマを、自分なりにどう解釈するかを考えた。単純でデフォルトなレインボーに陥らずに、各時代の気分を光の色、色の帯で表現した」(作家髙橋氏談)。
エスプラナードの髙橋匡太作品会場には、腰くらいの高さでiPadが複数設置されている。映し出されるのは、同空間で花びらをまく女性の姿。髙橋氏自らiPadで撮影した映像で、設置された"場"における過去の状態。時空間を旅する私たち自身のメタファーであり、花びらには祝福の意が込められている。
機材提供は本展協力社としてクレジッとされているカラーキネティクス・ジャパン(株)(髙橋氏とは「道後オンセナート」や「スマートイルミ横浜2014」でのPJなど、これまで何度も恊働している)。
毛利悠子《アーバン・マイニング:多島海》2015
毛利悠子《アーバン・マイニング:多島海》2015
カフェからの眺めも意識して設置された3つの街路灯。昨年まで東京都内で実際に使用され、LED照明への切り替えで廃品となったもの。自治体ごと、また道路の何処に置かれていたかによって、大きさや色などに"個性"がみられるという。
作家いわく、「博物館に展示されたクジラの標本や、首長竜にも自分には見えて、古びた感じが生き物の肌のよう」。 3つの電灯の光の明滅の元となっているのが、展示台の上に置かれた"発電機"。「廃品になるものに興味がある」という作家は、スパイラルカフェから提供された空き缶などで制作したもの。ギャラリー会場を海原に見たて、彫刻群による作品名は多島群(アーキペラゴ)と命名された。
会場奥のアトリウム空間での作品発表は栗林隆氏。
《重いフレコンバックの社で、見えないものと向き合う》2015
会場奥のアトリウム空間での作品発表は栗林隆氏。
《重いフレコンバックの社で、見えないものと向き合う》2015
フレコンバックとは、土嚢(どのう)を詰める軽量の袋のこと。作家によれば、3年程度しかもたない素材でできているにも関わらず、4年前の原子力発電所事故で大量に発生した、半減期30年といわれる汚染土の保管にも使われている。
会場では、黒いフレコンバックを横に7袋、縦に6袋、合計145袋で壁をたて、作家いわく「イスラム教のカアバ神殿のよう」な立方体を出現させた。
会場では、黒いフレコンバックを横に7袋、縦に6袋、合計145袋で壁をたて、作家いわく「イスラム教のカアバ神殿のよう」な立方体を出現させた。
中は四角い空洞で、1カ所だけ設けられた隙間から、もうひとつの展示空間に入る。
初日18時に点灯したガラスのシャンデリア(上)。下は点灯前。
美しいと、おそらく誰しもが先ず感じるであろうこのシャンデリア、こちらのモチーフも原子力に関連する。
吊られているのは小さなガラス文字。全て鏡文字で、A.アインシュタインが当時の米国合衆国F.ルーズベルト大統領に送った、原爆の開発許可を求めた手紙のテキストから。
点灯後の場内は文字の影で満たされ、見学者の身の上にも降ってくる。
影の文字は読めるようで読めない。何を読み取るかは見学者次第。
「自作で扱う素材は時間」と語っていた榊原澄人氏の展示は館内5階にて。
「自作で扱う素材は時間」と語っていた榊原澄人氏の展示は館内5階にて。
会場に向かうエレベーターを待つ時から既に作品世界が始まっている。
エレベーターボックスの内部。2台とも中も外も違う仕様(上は向かって左のボックス、下の画は右側のボックス内観)。
これらのイラスト各場面が動画となり、5階に2室用意されている会場のひとつで、iPadを使って流されている。
それら複数の映像がひとつながりになった作品が、もうひとつの会場にて、半球ドームに投影されている。ドームは人間の頭蓋のメタファーでもある。
榊原澄人《大きな世界の、無数の私たちのあり方を思わせる、天球のスクリーン》2015
上の画は2方の暗幕が開けられた状態(日中はクローズ)。また、5階の榊原作品会場は、10月末から会期終了までの木曜から日曜(祝日)の17時以降はバータイムにもなる。営業時間や詳細は下記企画展公式サイトを参照のこと。
スパイラル開館30周年記念展「スペクトラム ―いまを見つめ未来を探す」の会期は10月18日まで、会期中無休。オープンは11-20時、入場無料。会場は1階のスパイラルガーデン、および榊原作品は5階にて展示。会期中はワークショップやアーティストトークも開催される。
スパイラル
www.spiral.co.jp/
スパイラル開館30周年記念展「スペクトラム ―いまを見つめ未来を探す」の会期は10月18日まで、会期中無休。オープンは11-20時、入場無料。会場は1階のスパイラルガーデン、および榊原作品は5階にて展示。会期中はワークショップやアーティストトークも開催される。
スパイラル
www.spiral.co.jp/
+飲食のメモ。
会場近くの焼き菓子専門店「A.R.I(エー・アール・アイ)」に直行。18時以降は店内での飲食は終了、火曜-土曜は19時(日祝日は18時)まで商品が残っていればテイクアウト可。
会場近くの焼き菓子専門店「A.R.I(エー・アール・アイ)」に直行。18時以降は店内での飲食は終了、火曜-土曜は19時(日祝日は18時)まで商品が残っていればテイクアウト可。
手前下から時計回りに、たまねぎのマフィン、シュガーレーズンビスケット、オートミールスパイスクッキー袋入り、レモンのパウンドケーキ。締めて1,425円+消費税。
翌日冷めててもしっとりとおいしい。シナモンとジンジャーがきいたクッキーは夜食のお供に。今回も美味しゅうございました。ごちそうさまでした。
A.R.I 公式Twitter,ブログ
https://twitter.com/arimuffin
http://ariaoyama.blog36.fc2.com/
翌日冷めててもしっとりとおいしい。シナモンとジンジャーがきいたクッキーは夜食のお供に。今回も美味しゅうございました。ごちそうさまでした。
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