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「TIMESCAPE」展@プリズミックギャラリー

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南青山のプリズミックギャラリーで開催中の「TIMESCAPE」展へ。

出展者:伊藤友紀(伊藤友紀建築研究所 代表)、植村遥Uemura Architecture Lab主宰)、高栄智史(建築家・写真家/公式サイト、岩田知洋・山上弘岩田知洋+山上弘建築設計事務所共同主宰)
本展のきっかけは、昨年9月に大阪・南港ATC[ODPギャラリー]で開催された、35歳以下の新人建築家7組による企画展「Under 35 Architects exhibition 2014(註.同展に参加した他の3組3名の建築家も昨年12月にプリズミックギャラリーで展覧会を行なっているが、どちらも大阪会場との関係性はナイ)
本展のタイトル「TIMESCAPE」は辞書を引いても出ていない。TIME(時間)の後ろに「-景」を意味するCAPEを付けた造語である。4組5人の建築家が、それぞれ独自の作品を展開しているため、互いの共通点として「時間」をテーマに掲げている。

出展作品は主に建築模型。透明な原っぱの上に、それらが浮かんでいるかのよう。
この"草原"の正体は、長さ80cm、2辺の長さが0.5cm、長辺0.7cmの二等辺三角形のアクリル溶接棒を立てこんだもの。模型の台座の高さはそのほんの少し上に据え、重量のある1作品を除いて約20mm角の柱1本で支えられている。静止画だと判らないが、会場の空調設備からの風(冷房)で、二等辺三角形のアクリル棒が小さくゆらゆらと揺れる。その数、1,500本。
会場構成の意図としては、全体で"時間軸"を表現している。時間(TIME)とは、その瞬間・一瞬が連続していったもの。点が線となり、点の集合体が面にもなって、未来に繋がってゆく。仮に出展者4組5名を点とするなら、それぞれに繋がる線があり、それぞれのクライアントとの接点、それぞれに共有してきた時間がある。また、来場者の視点と、観賞によって生まれる何らかの点や線がある。それらが大きな面となって広がり、新たな多様性に繋がっていけば、という期待も込められている。

追記:高栄智史「TIMESCAPE 展 at PRISMIC GARELLY」動画

点〜線〜面によって会場に浮かびあがる「景」は、観る角度や時間帯、天気によっても変わる。来場者それぞれの時、それぞれの胸の内に浮かんだ「景」を持ち帰ってもらえれば、とのこと。

出展された模型は、スタディ、実現しなかったプロジェクト、進行中の物件とさまざま。
高栄智史「about "study"」
木、コンクリート、スチールによる家型を野外に曝し、素材の経年変化を観察中の模型(展示品で約半年ほど経過)
写真家でもある高栄氏は映像作品を含む5作品を出展。
岩田知洋+山上弘建築設計事務所「600平米の家」
600平米の敷地に約160平米の家を建てる計画。2棟の屋根が接する中心部と左右に余白(void)を設けている。2016年春竣工予定。
高栄智史「雨漏りする家」
足下には霧吹きが置かれており、会場で確認したところ「模型に吹きかけてくれて構いません」とのこと。
伊藤友紀「赤いレンガの家」
RC構造に外装が赤煉瓦という家に長年住み慣れた一家が、都心から離れた地に、馴染みの赤煉瓦と共に移り、新たなRC造+赤煉瓦の内外装で建て替える計画の模型(進行中)。同計画の模型は会場内にもう1点あり。
映像作品:伊藤友紀「ひとりのおばあちゃんの行為によって生成される建築」
高栄智史「多視的建築論」「dead tree house」「primitive(glass)hut」
右:岩田知洋+山上弘建築設計事務所「湖の休憩所」
左奥:伊藤友紀「赤いレンガの家」
植村遥「Alzheimer Hospital」
コンペで勝利し、南米スリナム共和国の首都に建設される予定だった病院の設計案。
高栄智史「dead tree house」
高栄智史「primitive(glass)hut」
今春、京橋の[AGC studio]での企画展「U-35 Young Architect Japan.多様な光あるガラス建築展」において披露された、熱線吸収板ガラスによる"モバイル茶室"の原案模型。
会場で静かにゆらめくアクリルの"草原"は、当初は1mの既製品で構成されたが、自重によってたわんでしまうため、全ての棒を20cm短くし、かつアクリルブロックの根本付近の1辺に透明テープを貼って補強するなどして調整した(繰り返すが、1,500本全てを再調整している。会場を俯瞰しただけではわからぬ陰の苦労)。見学時は、永山祐子氏永山祐子建築設計代表)を招いてのギャラリートーク開催日だったため、各氏によるプレゼンのほか、零れ話も含めて聞け、収穫。
「TIMESCAPE」展は7月25日まで。開廊は10-18時(入場17:30まで)、入場無料。

プリズミックギャラリー
www.prismic.co.jp/gallery/




+飲食のメモ。
最寄駅の銀座線外苑前駅と会場との中間辺りにあるトラットリア「フィレンツェ・サンタマリア 南青山」にてディナー。
コスパが高く、14:30までに入店すればありつけるランチ(フォカッチャとスープが付いて、現在は1,150円から)に救われること数度。今宵念願成就。ラストオーダーは22時、全面禁煙。
ほかにも生ハム付きの前菜やらグラタンなどもいただく。撮る前に平らげたこともあり、うち3皿の画にて。
和洋中の飲食店を多数展開する際コーポレーションの系列店、などと色眼鏡でみることなかれ。
ディナーも美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

TRATTORIA Firenze SANTAMARIA(トラットリア フィレンツェ・サンタマリア 南青山)
http://kiwa-group.co.jp/restaurant/106/

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